亡くなった方が持っていた株を放置していたらどうなるか
1 株式が売却されてしまう可能性がある 2 休眠預金となる可能性がある 3 配当金が受け取れない可能性がある 4 相続税の申告上ペナルティを受ける場合がある 5 長く放置した場合、取得の手続きが複雑化する可能性がある
1 株式が売却されてしまう可能性がある
株主への通知や催告が5年以上継続して到達していないなどの事情で、株主が不明となりますと、会社は自社買取を行うか、第三者に売却する(公開買い付け)場合があります。
会社の形態等によっては特例を適用することにより1年に短縮される場合もあります。
参考リンク:中小企業庁・経営承継円滑化法による支援
その売却代金は、会社が保管することとなりますので、売却されたことが分かった後で会社に対してその支払を求めることができますが、その請求につきましては時効が10年となります。
このように、被相続人が死亡してから株式の名義変更手続きをしないまま放置していますと、会社に売却手続きを採られ、株式を失うリスクがあります。
2 休眠預金となる可能性がある
最後の取引から10年以上放置されている金融口座は、休眠口座として取り扱われる可能性があります。
休眠口座となりますと、預金保険機構に移管され、LANPIAといった指定活用団体によって政府や地方自治体の子どもの貧困対策などの福祉活動に利用されます。
参考リンク:内閣府・休眠預金等活用制度について
休眠口座になったとしても、相続人が正式な手続きを行えば、払戻し等の手続きは可能ですが、通常よりも時間がかかる場合がありますので、休眠口座となる前に手続きを完了されるようにした方がいいでしょう。
3 配当金が受け取れない可能性がある
相続手続きで相続人が相続財産として受け取ることができるのは、相続開始時(被相続人が亡くなった時)までの財産についてです。
そのため、相続開始後に発生する配当金は、株式の相続手続きをしないままですと、いわゆる株主の地位を相続人全員で共有していることとなりますので、相続人全員で受け取る財産という扱いとなります。
このとき、未受領配当金については、株式の売却代金の返還請求と同じく10年の期限があります。
一方で、企業の中には定款により、配当金の受取期限を3~5年と定めている場合もあり、それを超えますと請求する事ができなくなる場合もあります。
そのため、取得していない株式の配当金を発見した場合には、定款等の資料も確認する必要があります。
4 相続税の申告上ペナルティを受ける場合がある
株式の名義変更が未了のままですと、直接金銭等を受け取れなくなる上記1~3のような影響だけでなく、間接的な不利益が生じる場合があります。
相続税上のペナルティはその1つです。
株式の名義変更がなされていない状況は、あえてそのようにしているケースは稀です。
多くは、株式の存在を知らない場合です。
このような場合、評価額が高くなることもある株式の存在を知らないこととなり、被相続人の相続税の課税財産を誤って把握していることとなります。
そうなると、相続税の申告が必要なのにしていないことや、本来申告すべき税金よりも小さい金額で申告している場合などがあります。
そのような場合、税務署から無申告加算税や過少申告税といったペナルティを課される場合もあるので、注意が必要です。
株式の存在については見落としがないように、しっかりと調査することをおすすめいたします。
5 長く放置した場合、取得の手続きが複雑化する可能性がある
こちらも4と同じく、直接的な影響ではありませんが、放置期間が長くなりますと、手続きをすぐにした場合と比べて複雑化する場合があります。
つまり、相続人からも死亡者がでますと、その相続人が新たに加わることとなりますので、単純に手続きに協力しなければならない人数が増えることとなります。
そして、人数が増えれば、意見を一致させるのにも時間がかかりますし、必要書類を集めるのにも時間がかかります。
そうなると、株式の場合は、時間が長期化すれば、1~3のような機関の制限に抵触するリスクが高まります。
そのため、特に株式が関わる場合には、早め早めの対応が求められることとなります。























