相続放棄

相続放棄の相談をするタイミング

文責:弁護士 井川 卓磨

最終更新日:2023年09月29日

1 期限に間に合わせるため早めのご相談を

 相続放棄について、専門家への相談をお考えの方や、相談をしようか迷っているという方は、できるだけお早めにご相談いただくことをおすすめします。

 早めの相談がよい理由として、第一に、相続放棄には相続の開始があったことを知った時から3か月という期限があるためです。

 大抵の方は、被相続人がお亡くなりになった当日もしくは数日以内に亡くなったことを知るかと思います。

 相続が発生すると、葬儀の手配や各種手続き等で慌ただしくなるため、あっという間に期限が来てしまうということも考えられます。

 そのため、相続放棄をお考えの場合はもちろんですが、少しでも相続放棄をする可能性があるならば、できるだけお早めにご相談ください。

 

2 財産や債務の調査に時間がかかることも

 相続放棄をするかどうかを判断するためには、財産や債務の調査が必要です。

 借金があり相続放棄をしたところ、実はその借金の額を上回るような財産を持っていたことが後から判明しても、相続放棄が一度受理されてしまったらそれを取り下げることはできません。

 後から後悔をしないためにも、財産や債務の調査はしっかりと行う必要があります。

 とはいえこれらの調査がすんなりと進むとは限らず、不動産の評価に時間がかかってしまったり、債務の状況確認が進まないといったこともあり得ます。

 財産や債務の調査といっても、どのように行うのか分からない方もいらっしゃるかと思いますので、早めに専門家に相談し、これらの調査を進めることが大切です。

 

3 手続きに必要な書類の取得に手間取ることも

 相続放棄をするためには、申述書のほかに、戸籍謄本などの書類が必要となります。

 必要となる書類は状況によって異なりますが、例えば兄弟の相続放棄の場合には、必要となる戸籍の種類が多くなり、その分取得に時間がかかってしまうことも考えられます。

 早いタイミングから相談し、どのような書類が必要で、どうやって入手するのかなどを把握しておくと、その後の手続きの準備もスムーズに進められるかと思います。

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相続放棄をお考えの方へ

相続放棄をすると、はじめから相続人ではなかったことになりますので、被相続人のプラスの財産も、借金などのマイナスの財産もいっさい受け継がないことになります。
相続放棄を検討するケースは様々ですが、相続放棄を行うにあたって、その理由はどのようなものでも問題ありません。
被相続人の借金を受け継ぎたくないという理由で検討される方もいれば、他の相続人と関わりたくないという理由で放棄される方もいらっしゃいます。
また、地元に残っている兄弟に土地や建物などの相続財産を集中させたいというときに、遠方に住んでいる他の兄弟が相続放棄をすることもあります。
では、相続放棄をするとなった場合、どのように手続きを行うのでしょうか。
他の相続人に「私は財産はいらない」と伝えたり、相続人間で相続を放棄する旨の合意書を作成したりするだけでは、法律上の相続放棄とはなりません。
相続放棄の手続きは、申述書などの必要な書類を準備した上で、家庭裁判所に申立てを行う必要があります。
その後、家庭裁判所で審理が行われ、認められれば、相続放棄を受理した旨の通知が届きます。
なお、相続放棄には期限があり、期限内に手続きを行わなければなりませんので、その点は注意が必要です。
相続後は何かと忙しい日々が続きますが、相続放棄の検討されている場合にはできるだけ早めに準備を進めることが大切です。

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